訪問看護師を目指して

〜ある患者様との出会い〜

代表取締役　井上 由美

本来の姿で過ごせるように

看護師として病棟で働き始めの頃に、在宅療養に繋いだ患者様とのやり取りがきっかけで、訪問看護の道を目指し始めました。
入院中は、医師や看護師のアドバイスを素直に聞き入れてくださっていましたが、退院し在宅療養を始めた途端に内服加療の拒否や、それだけではなく訪問者まで拒まれるようになられました。
その時に感じたことは「病院での姿は本心ではないのだ」ということです。
ならば、本来の姿（自分なりの価値観・暮らし慣れた環境・家族・大事にしている事や物・自分のペース）であることができる在宅での看護をしたいと強く思うようなりました。
それからは、入院中に出会った患者様に対して、在宅ではどのように過ごすのか、そのためには何が必要なのか。また、在宅でも継続できる方法はこれで良いのかなど、よく考えて接するようになりました。

その時の支援が最善であるように

在宅療養を総合的に支援するスキルが必要であると思い、ケアマネージャーの経験も積みました。
これまで、訪問看護に携わる中でたくさんの利用者様との出会いがありました。
末期癌を患っておられ、数日しか自宅での生活ができない中でも、最後であった夕食を家族と一緒にテーブルを囲んで笑顔に満ち溢れる様子は家族様だけではなく、私たち医療従事者の心にも深く刻まれるシーンでした。
全力で「生命を全う」されており、そこに携わらせていただく上で「最善を尽くす」ことを常に心がけております。
これまでもそうであった様に、これからの訪問看護ステーション「優愛のあるべき姿」は個々の利用者様のありのままの姿（ご意向）を受け止め、寄り添い、その時の支援が最善であるよう努めてまいりたいと考えています。
また、これまで支えてくださった全ての方々への恩返しを少しでもできるよう、地域医療の充実のために支援させていただけたら幸いです。